2010 西太平洋地球物理学会議(Western Pacific Geophysics Meeting)に参加しました

会場の台北国際会議センター 水垣研究員のポスター(左から2番目) 陽明山国家公園・小油坑（Siaoyoukeng）

平成22年6月21日（月）から6月25日（金）の期間で、アメリカ地球物理連合（American Geophysical Union）主催、日本測地学会、香港気象学会、日仏海洋学会および日本地震学会が共催で開催された、2010 西太平洋地球物理学会議(Western Pacific Geophysics Meeting）に水環境保全チームから水垣研究員が参加しました。 　会議は台湾の台北市国際会議センターで開催されました。本会議は海洋科学（Ocean science）、地震学（Seismology）や水文学（Hydrology）などさまざまなセッションがありました。 　水環境保全チームの水垣研究員は「帯水層特性の解明に向けた最新の現地調査手法（Recent Advances in Field Methods for Aquifer Characterization）」というセッションにおいて「浮遊土砂の生産源推定のための地質トレーサの探索（Seeking geological tracers for fingerprinting suspended sediment sources）」と題してポスター発表を行いました。胆振・日高地方の鵡川・沙流川流域において、浮遊土砂の生産源を推定するために、さまざまな地質流域の土砂生産源と実際に流出した浮遊土砂の放射性同位体濃度を測定し、統計解析を用いてどのトレーサが有効であるかを検討したものです。3つの天然放射性核種で6種類の岩石区分を判別できる可能性を報告しました。 　各国の研究者・大学院生（シンガポール、日本、台湾、オーストラリア、アメリカ）との議論と意見・情報交換では、浮遊土砂生産源の地質区分をさまざまなカテゴリーで判別を試みていることと、統計解析によって客観的に有効トレーサを抽出していることについて高い評価を受けました。 　また、現地見学会では台北市街から17 kmほど北にある陽明山国家公園を見学しました。現地は大屯火山群を主体とした火山地帯で、主要な見学ポイントは小油坑（Siaoyoukeng）と呼ばれる、硫化ガスが発生している地点です。周囲の植生は、火山ガスのせいか木本植生がみられず、ほとんどの斜面がササに覆われているのが特徴的でした。 　本会議に参加するにあたり、お世話になった多くの方々に対して、心より御礼申し上げます。