RCEMとは、、、
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RCEM2005のロゴ
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環境研究室、河川研究室では10/4-10/7の日程で米国イリノイ大学で開催されたRCEM2005に参加し、発表する機会を得ましたので報告します。
RCEMとは、RIVER, COASTAL AND ESTUARINE MORPHODYNAMICSの頭文字で、「河川、沿岸及び河口域の地形力学」とでも訳せばよろしいでしょうか。
第1回は1999年9月にイタリアのジェノバ大学、第2回は2001年の帯広、第3回は2003年のバルセロナ、第4回目の今回は米国シカゴ市の南約200km、シャンペイン/アーバナ両市に広大なキャンパスを持つイリノイ大学で開催されました。
地形とはどういった外力で発生し、成長していくのか、流れと土砂、波と土砂の相互関係を実験、観測、数値シミュレーションなどの手法を駆使して見出していく、そんな研究成果満載のシンポジウムです。
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協賛・後援
The National Center For Earth-Surface Dynamics
Foundation of Hokkaido River Disaster Prevention and Research Center ((財)北海道河川防災研究センター)
International Association of Hydraulic Research
ASCE - American Society of Civil Engineers
ONR - Ofice of Naval Research
The Center for Water as a Complex Enviromental System at the University of Illinois
Department of Civil and Environmental Engineering, University of Illinois
Department of Geology, Unversity of Illinois
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環境研究室からの参加者及び発表タイトル
著者:○村上 泰啓、中津川誠、山下彰司
タイトル:RADAR RAIN GAUGE DATA-BASED ANALYSIS OF CAUSES OF SLOPE FAILURE AND ESTIMATION OF SEDIMENT YIELD IN THE SARU RIVER BASIN
発表形式:ポスターセッション。○が参加者
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小生(村上)の発表内容概要;
2003年8月豪雨で、沙流川の平取観測所上流域では昭和37年観測以来最大の豪雨に見舞われ、支川額平川流域では新規に発生した崩壊地が4,000箇所を超えました。ここでは、道内に整備されているレーダー雨量計の解像度である1kmメッシュ内で平均化した総降雨量、最大1時間降雨強度などの降雨因子と、地形の凸凹度合いを代表する指標の1つである縦断曲率、地質、比高などの地形因子を用い、メッシュ内の崩壊地面積率との関連性を見出し、推定式を導きました。その上で沙流川全域に拡大し、沙流川流域全体で豪雨により発生した土砂量、流木量の推定を試みたものです。RCEMの趣旨からはちょっとずれていたかもしれません。
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河川研究室からの参加者
渡邊康玄(P)、安田浩保(O)、島田友典(O)、吉川泰弘(O)
P:ポスターセッション、O:口頭発表
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RCEM寸景
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RCEM2005会場となったイリノイユニオンの
エントランス。中にはフードコートやホテルもある!
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RCEM受付(受付嬢はウェンディさん)
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会場風景(世界中から300名近い参加がありました)
時差ぼけの中で集中する難しさを味わいました!?やっぱり疲れの少ないビジネスクラスで行きたいものです。
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左からジェノバ大学のセミネラ先生、イリノイ大学のパーカー先生、北大の清水先生、イリノイ大学のガルシア先生
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最終日のセッションはイリノイ大キャンパスから約40km離れたアラートンパーク内の大学所有のAllerton House Conference Centerで開催されました。
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古めかしくも格調高いAllerton House Conference Center内の図書館でのセッションは最終日を飾るに相応しいものでした。しかも50MB/Sの無線LAN完備!!
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アラートンパーク内にて。整備された園内には知的で静寂な空気が充満していたような、、、。それを理解できない自分が、、、。
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Allerton House Conference Center全景。こんな施設を大学が保有し、しかも活用されているなんて素晴らしい!
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小生(村上)のポスター発表風景。
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渡邊室長のポスター発表。
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イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校について
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は、シカゴの南約140マイル(約220km)に位置するUrbanaと Champaignという街からなるツインシティにあります。アーバナ・シャンペーン校は、他にシカゴ校及びスプリングフィールド校をかかえるイリノイ大学の本校として、全米でも高い評価を得ている州立大学です。
歴史も古く、1867年にイリノイ産業大学(Illinois Industrial University)として認可され、翌1868年に創立されました。現在は、学生数約3万7千人(学部生数:約2万8千人、大学院生数:約9千人)の総合大学です。世界約100カ国から毎年約3千5百人もの学生が学んでいます。フットボール競技場であるMemorial Stadium(収容人数:約7万1千人)、多目的ホールのAssembly Hall(収容人数:約1万7千人)、U of I Willard Airportをはじめとする数多くの大規模な施設を所有しており、特に大学図書館は公立大学図書館としては世界最大(アイテム数:約1700万冊)の規模を誇っています。
これまでに2桁のノーベル賞受賞者とピュリツアー賞受賞者を輩出していることに象徴されるように、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は世界有数の研究機関として確固たる地位を築いています。特に、コンピュータサイエンス、エンジニアリング、物理学、化学、建築学、農学、ライブラリーサイエンスなどの幅広い分野において世界の最先端の研究が行われ、それらの分野では全米トップクラスの評価を得ています。
また、インターネットの発展に関して中心的な役割を果たしてきました。Internet ExplorerやNetscape Navigatorの原型となったNCSA Mosaicは、キャンパスにあるNCSA(the National Center for Supercomputing Applications) において開発されました。
(http://illinois-mba.hp.infoseek.co.jp/prospect/uiuc.htm からの転載)
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雑感:
RCEMとはいったい何なんだ?とほとんど前知識無しで参加したカンファレンスでした。内容は地形がどのようにして発達、形成されたのかとか、河口干潟の中に形成される河道の形成メカニズムとか、川の中の砂州の発生についてとか、エンジニアリングというよりもむしろサイエンス領域という印象でした。研究がどんな役に立ったのか、などという成果主義ではなく、むしろ自然科学のどんな分野を体系的にまとめあげるのか、というようなものが根底に流れているような気がしました。開土研みたいなところはやっぱりエンジニアリング勝負の色合いが濃いので、RCEMに投稿するときはサイエンスフレーバーも仕込む必要がありそうです。どんなフレーバーを出せるかは???ですが、、、 次回は2007年オランダで開催されるそうです。行きたい人はまずは開土研に異動願いをしよう!
余談:
国際線に乗るときはきちんとした服装が大事なようです。別にブランドものでなくても、つまり、綿パンにジャケットで構わないのですが、そういう格好をしていたほうが、セキュリティーや税関をフリーで通過しやすいのです。以前アフリカのザンビアで勤務していたときに知り合いの日本人夫婦から聞いた話です。彼らがザンビアからロンドンのガトウィック空港に着き、入国審査のときに必ずといっていいほど小部屋に連れて行かれて、違法移民と間違われて検査されたのだそうです。特にアジア系の人間は普通にしていても勘違いされやすいので、Tシャツ短パンとかの安易な格好で国際線に乗ると、入国審査で予想外の時間を食うことになります。コレホント!
蛇足:
外国に行くと分からないことだらけです。したがって、英会話では「Could you ・・・」、「Would you ・・・」などの丁寧なお願いモードイングリッシュをものすごく使うので、覚えると便利なのである。そうしておかないと、ホテルのフロント嬢にランドリー袋一杯に詰めた下着を見せて、「私はあなたに自分のパンツを洗ってほしいのである」とかいうある意味プロポーズをしてしまうミスを犯すことにもなりかねない!このプロポーズ事件の詳細は村上まで。とにかく、RCEMに参加した感想としては、ネィティブの英語を聞いて理解するという自分のレベルが低すぎるという点につきる。専門用語は勉強していかなければ、、、。東京のとあるバーでたまたま向かいの席に座った人が、英語のドラマを吹き替えなしで何度も聴いてイディオムなんかを覚えた、という話だった。すごい努力家である。でも自分の好きなドラマのジャンルはSFなので、日常会話の単語とはちょっとちがいます。ワープとか光年とか光子魚雷といった単語を覚えても使用頻度は少ない可能性が高いです。「ちがうって、そんなんじゃないんだって」とか「昼食でもご一緒できたらすごくうれしいんですけど、、、」とかいう類の会話のイディオムの方がすごく使うかもしれません!?ちなみにこの二つのイディオムは現在調査中です!?それと、専門用語やきちんとした論文の書き方も勉強します、、、反省。
蛇足2:
英国、米国などの英語のネイティブの国以外だと、意外に英会話が楽な場合が多い。向こうも第二外国語で、知っている英単語も似たり寄ったりで、コミュニケーションが意外に楽なのだ。でも、英語をそんなに知らなくても、気持ちでコミュニケーションしちゃっても意外にイケてしまうという経験を昔しました。アフリカ勤務時代、とある組織の出先にいたのですが、「タフィー(ローカルスタッフの名)、おまえそれほんまにSureか?」と英語はSureのみで、ほぼ日本語(しかも関西弁ちゃんぽん)で現地スタッフを使いこなす猛者がいたり、現地の道路工事現場で発生した問題を無線で「マイクさん、マイクさん、ルムンバドーロ(道路)、プログラム(プロブレムの間違い)」と、合っている単語は「マイク」と「ルムンバ」だけだったのに、ちゃんと通じてしまうミラクルさんがいたりと、枚挙にいとまがないほど。英語+日本語ちゃんぽんコミュニケーションも意外にいけてるという実態を目の当たりにしました。それ以後、私の英語能力も格段の進化を遂げることなく、単純単語の羅列コミュニケーションになりさがりつつあるわけで、、、。反省。20051115up
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謝辞
RCEM2005への論文投稿、出席にあたっては、環境水工部石田部長、山下室長に快諾頂いた事、企画室、総務課の事務方に出張雑務をサポート頂いた事を記して謝辞とします。
文責 村上
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